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[ GEN 3 · 小覇王(広東省中山市、創業者:段永平) ]

小覇王(Subor)学習機

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ハードウェア仕様

メーカー
小覇王(広東省中山市、創業者:段永平)
CPU
Ricoh 2A03 互換(MOS 6502 派生)@ 1.79 MHz
PPU
Ricoh 2C02 互換
RAM
2 KB(CPU)+ 2 KB(PPU)
解像度
256 × 240
色域
54 色パレット
音源
5 チャンネル(ファミコン互換)
メディア
ROM カートリッジ(黄カセット)+ 内蔵 BASIC + PS/2 キーボードポート

累計販売台数

コミュニティ合意
1990 年代の中国大陸と中華圏で累計 1,000 万台規模(公式数字なし)

Subor 1990 年代広告と販売店の概算

派生機種

SB-486

1993

ファミコン互換学習機

代表機種。PS/2 キーボード、内蔵 BASIC、PC 風筐体。ジャッキー・チェンの広告はこのモデルを起点に、黄カセット機を『学習用パソコン』に格上げした。

SB-486D

1995

強化版

5.25 インチ FDD インタフェースと教育ソフトスロット追加。実用性より象徴性が高かった。

SB-2000

1998

後期型

デスクトップ PC 風の筐体に変えたが中身は依然 6502 系。中国で家庭用 PC が普及するに従い徐々に退場した。

キュレーターズノート

この機種が象徴するもの

小覇王は単なる家庭用ゲーム機ではない。1990 年代の中国大陸でゲーム機の輸入が禁止されていた政策の壁を、「学習機」というブランディングで通過させた仕掛けだ。中身は完全にファミコン互換だが、外見と物語は『教育用パソコン』だった。

歴史の転換点

1993 年、ジャッキー・チェンを起用した SB-486(キーボード付き)の広告。「子どもに学習機を買う」が中国の家庭で正当な消費に変わった瞬間。実際にプレイしていたのは黄カセットのマリオと魂斗羅だが、リビングに置かれていたのは『コンピュータ』だった。

地域の記憶

中国大陸の子どもにとって小覇王は『初めて触れたファミコン』そのもの。台湾・香港の視点では、中華商場や夜市に並んだ吉瑞・永漢・Sachen など同類のグレー機の中国版にあたる——同じ 6502 ダイ、同じ黄カセット、しかし親に売る言葉が完全に違う。

キュレーション選

  1. Super Mario Bros.

    黄カセット時代の標準起動画面。1990 年代中国大陸の子どもが最初に見たマリオは、任天堂のブランドからではなく、小覇王の BASIC プロンプトの後ろに刺さったカセットからだった。

  2. 魂斗羅

    中華圏での「上上下下左右左右BA」の伝播経路は、ほとんどが小覇王と黄カセット経由で、日本版や北米版 NES からではない。

  3. BASIC 学習ソフト(内蔵)

    小覇王の内蔵 BASIC は、親に購入を許可させるための存在理由だった。実際に大半の子どもは電源を入れた瞬間にカセットモードへ切り替えていた。

1987 年、段永平は広東省中山市で小覇王公司を設立した。当初は電子玩具を作る小さな工場に過ぎなかったが、彼は規制の隙間を見抜いていた——1990 年代の中国大陸では、ゲーム機の輸入は禁止されていた。だが「学習機」の輸入は禁じられていなかった。

そこで SB-486 が生まれた。中身はファミコン互換機:Ricoh 2A03 互換 CPU、2C02 互換 PPU、黄カセット(ファミコンカセットのグレー版)対応。だが外見には PS/2 キーボードポート、内蔵 BASIC 学習ソフト、PC 風筐体——そしてそれを「学習機」と呼んだ。

1993 年、ジャッキー・チェン起用の広告が始まる。「望子成龍、小覇王學習機」というスローガンは三年走った。親は『教育用パソコン』を見て、子どもは『マリオが動くゲーム機』を見ていた。 双方が満足し、中山の工場は中華圏に 1,000 万台規模を出荷した。

任天堂のライセンスはなく、訴えられたこともない——任天堂は北米と日本でセガと戦っていて、中国市場への具体的な計画がなかったからだ。任天堂初の公式中国向けハードは 2003 年の神遊機(iQue Player)だが、それは 10 年後の話。この 10 年の空白を、小覇王と黄カセットが埋めた。

1995 年に段永平は小覇王を離れ、自ら歩歩高(後の Oppo / Vivo / OnePlus 親会社)を設立した。小覇王本体は 1990 年代末に家庭用 PC が普及すると徐々に退場したが、それが中国の子ども時代に書き込んだ『ファミコン』の記憶は、ライセンス版任天堂の歴史とは何の関係もない。

代表作

  • Super Mario Bros.(任天堂、1985)
  • 魂斗羅(コナミ、1987)
  • 雪だるま兄弟(東亜プラン、1990)
  • バトルシティ / 戦車(ナムコ、1985)
  • BASIC 学習ソフト(小覇王内蔵)

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